2016.04.12 アニメゲーム漫画の会社が売上を上げるために必要な年間目標の立て方
8割の会社が年間目標を決めていない?
4月から期が始まるという会社さんも多い中、私は良く「今期はどんな目標を持たれているのですか?」と質問します。すると、殆どの会社さんから「大体の年間売上目標はこれくらいかなぁ・・・」という答えが返ってきます。しかし、平均人月をいくらにするか、取引先をどう変化させるか、何人新卒を採用し、何人中途を採用するかなど、今年度の戦略部分については詳細に語ってくれる会社が・・・いえ、語れる会社が多くはありません。年間目標は「売上」という形であれば一番わかりやすいですが、実際は売上だけで会社が価値を生み出し続けられる訳ではありません。人材採用、営業戦略、社内の教育から自社コンテンツの発表まで「その場でなんとなく」決めるわけにはいかないことが多い中、とりあえず決まっているのは売上目標のみ・・・という会社が何と多い事か。
しかしこれはアニメゲーム漫画業界に限らず、中小企業のほとんどが持っている問題です。私たちがよく意見交換をする中小企業コンサルタントの方々は、皆口を揃えて「具体的な目標をとにかく作って欲しい」と言います。この具体的な目標を作っていないからこそ、多くの会社さんは毎月苦労をしてしまう、と言う方もいらっしゃいますし、私も確かにそうだと感じる事がよくあります。今回はアニメゲーム漫画業界の会社における正しい年間目標の立て方と、その達成方法について書いてゆこうと思います。
最低限決めておきたいこと
年間目標の立て方として最低限決めておきたいのは下記の項目です。
・年間売上
→年間売上を決めている会社さんは少なくありません。しかし「去年と同じくらい」「大体〇〇くらい」というアバウトな決め方だと、何か問題が起きてしまった時に慌てることになります。「必ずこれだけの金額を達成する」という強い意志を持って決定してください。
・社員数の増減
→特に制作会社の場合は、社員数がダイレクトに売上に関わります。新卒、中途含めて社内に何人抱えるかについては売上と共に決定すべき重要な点です。この次の「平均人月」にも関わってきます。
・平均人月
→人月についてアバウトな会社さんは残念ながらかなり多いのが現実です。お客さんから提示された金額で・・・という感じで決めていると、段々下がってしまうのです。契約をもらったその時は良くても、段々苦しくなって行くのが人月、制作費の値下げ。今までの取引先が人月をケチってきた場合は、あえてばっさり切るという決断も必要です。
・取引先
→こういった事柄から導き出されるのは「取引先の変更」です。これも「最近は××業界があまり上手く行っていないし、〇〇業界に移行した方が良いのかな」くらいの変更ではなく、「自社の目標に沿わない取引先は切る」という積極的な態度で開拓してゆく事が重要です。
いかがでしょうか?こういった視点で会社の目標を決め、「この目標から一歩も引かない」と決めると、まず様々な歪みに気づくはずです。現在相談を受けている仕事の殆どが目標人月より低いこと、取引先の新規開拓を数年単位で怠ってしまっていること・・・。そういった歪み、違和感をあぶり出すのがこの目標設定の裏目的です。この違和感が分析程度にならず、「これはいけない!!」と思えてからが、目標設定の真価発揮なのです。こういった危機感は経営者にとって特にリアルに迫ってきますし、それこそが目標を達成する強烈なモチベーションとなり得るのです。
実現する年間目標の立て方
さて、上記に挙げた目標値の設定の際、大事なポイントが1つあります。それは「過去を元に目標を設定しないこと」。去年はこうだったから・・・ここ最近はこうだから・・・と言う理由で設定を低く見積もり、会社に無理をさせるような目標を立てることは本末転倒。去年より良く、これまでのどの期より良く!という意気込みを大事にしてください。
例えば弊社と取引のある某制作会社さんでは、この方法を取り入れた瞬間に、大手メーカーと決まっていた案件が1つ、小さい案件が3つほど飛ぶという悲劇に見舞われました。こんなことがあると焦ってしまい「どんなに小さい仕事でも」「少しぐらい安くても」と、人月や売上の目標を下げてしまいがちです。しかしそれでも社長は目標を下げず、絶対に目標の人月や採用人数を達成する!と仕事を探し続けました。そういう時は様々な縁が決まるもので、たまたま連絡を取った古い取引先から仕事が入ったり、全く違う業界からの問合せで高い人月の提案が通ったりして最終的に目標金額は達成されたのでした。
目標は社員のためのものではない
よく売上目標を社員に伝える会社さんがあります。・・・というか、それがほとんどだと思います。しかし最も売上目標やその他の目標について考えるべきは誰よりも社長。社長だけが、これまでの仕事のやり方や構造を一気に変えられる力を持っているのです。社員に伝えることが悪いとは全く思いませんし、むしろ結束力を高めるために伝えても良いでしょう。しかし大鉈を振るえるのは社長だけということを覚えておいてください。みなさんが良い年度を迎えられるよう、私たちもお力になる事が出来ればと思います。
4月から期が始まるという会社さんも多い中、私は良く「今期はどんな目標を持たれているのですか?」と質問します。すると、殆どの会社さんから「大体の年間売上目標はこれくらいかなぁ・・・」という答えが返ってきます。しかし、平均人月をいくらにするか、取引先をどう変化させるか、何人新卒を採用し、何人中途を採用するかなど、今年度の戦略部分については詳細に語ってくれる会社が・・・いえ、語れる会社が多くはありません。年間目標は「売上」という形であれば一番わかりやすいですが、実際は売上だけで会社が価値を生み出し続けられる訳ではありません。人材採用、営業戦略、社内の教育から自社コンテンツの発表まで「その場でなんとなく」決めるわけにはいかないことが多い中、とりあえず決まっているのは売上目標のみ・・・という会社が何と多い事か。
しかしこれはアニメゲーム漫画業界に限らず、中小企業のほとんどが持っている問題です。私たちがよく意見交換をする中小企業コンサルタントの方々は、皆口を揃えて「具体的な目標をとにかく作って欲しい」と言います。この具体的な目標を作っていないからこそ、多くの会社さんは毎月苦労をしてしまう、と言う方もいらっしゃいますし、私も確かにそうだと感じる事がよくあります。今回はアニメゲーム漫画業界の会社における正しい年間目標の立て方と、その達成方法について書いてゆこうと思います。
最低限決めておきたいこと
年間目標の立て方として最低限決めておきたいのは下記の項目です。
・年間売上
→年間売上を決めている会社さんは少なくありません。しかし「去年と同じくらい」「大体〇〇くらい」というアバウトな決め方だと、何か問題が起きてしまった時に慌てることになります。「必ずこれだけの金額を達成する」という強い意志を持って決定してください。
・社員数の増減
→特に制作会社の場合は、社員数がダイレクトに売上に関わります。新卒、中途含めて社内に何人抱えるかについては売上と共に決定すべき重要な点です。この次の「平均人月」にも関わってきます。
・平均人月
→人月についてアバウトな会社さんは残念ながらかなり多いのが現実です。お客さんから提示された金額で・・・という感じで決めていると、段々下がってしまうのです。契約をもらったその時は良くても、段々苦しくなって行くのが人月、制作費の値下げ。今までの取引先が人月をケチってきた場合は、あえてばっさり切るという決断も必要です。
・取引先
→こういった事柄から導き出されるのは「取引先の変更」です。これも「最近は××業界があまり上手く行っていないし、〇〇業界に移行した方が良いのかな」くらいの変更ではなく、「自社の目標に沿わない取引先は切る」という積極的な態度で開拓してゆく事が重要です。
いかがでしょうか?こういった視点で会社の目標を決め、「この目標から一歩も引かない」と決めると、まず様々な歪みに気づくはずです。現在相談を受けている仕事の殆どが目標人月より低いこと、取引先の新規開拓を数年単位で怠ってしまっていること・・・。そういった歪み、違和感をあぶり出すのがこの目標設定の裏目的です。この違和感が分析程度にならず、「これはいけない!!」と思えてからが、目標設定の真価発揮なのです。こういった危機感は経営者にとって特にリアルに迫ってきますし、それこそが目標を達成する強烈なモチベーションとなり得るのです。
実現する年間目標の立て方
さて、上記に挙げた目標値の設定の際、大事なポイントが1つあります。それは「過去を元に目標を設定しないこと」。去年はこうだったから・・・ここ最近はこうだから・・・と言う理由で設定を低く見積もり、会社に無理をさせるような目標を立てることは本末転倒。去年より良く、これまでのどの期より良く!という意気込みを大事にしてください。
例えば弊社と取引のある某制作会社さんでは、この方法を取り入れた瞬間に、大手メーカーと決まっていた案件が1つ、小さい案件が3つほど飛ぶという悲劇に見舞われました。こんなことがあると焦ってしまい「どんなに小さい仕事でも」「少しぐらい安くても」と、人月や売上の目標を下げてしまいがちです。しかしそれでも社長は目標を下げず、絶対に目標の人月や採用人数を達成する!と仕事を探し続けました。そういう時は様々な縁が決まるもので、たまたま連絡を取った古い取引先から仕事が入ったり、全く違う業界からの問合せで高い人月の提案が通ったりして最終的に目標金額は達成されたのでした。
目標は社員のためのものではない
よく売上目標を社員に伝える会社さんがあります。・・・というか、それがほとんどだと思います。しかし最も売上目標やその他の目標について考えるべきは誰よりも社長。社長だけが、これまでの仕事のやり方や構造を一気に変えられる力を持っているのです。社員に伝えることが悪いとは全く思いませんし、むしろ結束力を高めるために伝えても良いでしょう。しかし大鉈を振るえるのは社長だけということを覚えておいてください。みなさんが良い年度を迎えられるよう、私たちもお力になる事が出来ればと思います。
このブログを書いた人
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平田 悠貴ビ・ハイア株式会社副社長 » 詳細プロフィール
ラクジョブ運営会社で2番目に偉い人で現場で1番偉い人。東京都在住。学習院大学文学部哲学科出身。ラクジョブはこの平田さんがいなかったらもっと前になくなっていたでしょう。アニメをみて、作画が良いと良く感動して泣きます。