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2016.03.24 開発・制作会社の営業戦略 クライアントの売上を把握しない会社は受注が出来ない 3D会社編

shutterstock_276610181付き合いの長い会社から仕事が来なくなった

ある3DCG制作会社の社長が私のところに営業の相談に訪れました。「ずっと仲良くしている取引先があって、いつも大体そこから仕事をもらっていたんだけど、最近仕事が振られてこなくて困っています。他の知り合いにも当たっているんですがどこも大体同じで仕事がないって言われてしまって・・・。」

この3D会社は設立4年目です。(仮にA社とします)私は前職時代からお付き合いが有り、起業する前から、これから起業する実力派3D会社として色々なクライアントに紹介していました。起業して1年目の時には設立間もないことも有り、かなり力を入れて確実な納期管理とクオリティ管理を徹底して仕事に当たり、私が起業前に紹介したクライアントや前職時代からつながりがあり、頼りにしてくれているクライアントから数々のリピートの仕事をもらって、クライアントから紹介してもらった仕事先からも評価を得て売上はうなぎ登り。3年連続黒字決算を出し、更に人材も採用して強化していこうとしていた矢先のことでした。ここまで順調に来ていたA社が営業に躓いてしまった原因とは、一体何だったのでしょうか?


shutterstock_153253178伸び盛りの会社にはよく有ること

実はこの現象、伸び盛りの会社にはよくあることです。自社の売上を上げ、会社を伸ばしていくためにがむしゃらに頑張り、しっかり仕事をしていればお客さんは評価してくれます。それが前職から知っていて起業したばかりの社長を応援したいと思ってくれているところなら尚更です。しかし、「応援」というのは自社に余裕がないとできないものです。A社の社長に、いつも懇意にしてくれていたクライアントがどこなのか社名を聞き、私はその場でその会社の売上を調べました。すると、驚くべき事にそのクライアントとA社の年間の売上はほぼ同じぐらいにまでなっていました。人数を考えると若干A社の方が利益率が高いぐらいです。他にも、付き合っている会社の社名を聞いては売上・利益率を調べていきました。そこでわかったのは、A社は知らないうちにもともとのクライアントと同じか、それ以上に成長してしまっていたと言うことでした。いつの間にかA社は、クライアントにとって応援したい対象から競合へと変わってしまっていたのです。A社の社長も、自社の売上は気にしていたものの、クライアントの売上を調べたことは無かったということでかなり驚いていました。

受注仕事を行っていく以上は自社の売上はもちろんですが相手先のクライアントの売上も知っておく必要があります。目先の仕事が振られてくるかどうかも大事ですが、その仕事を外に振るということはクライアントの利益が薄まると言うことです。台所事情を加味した上での提案でないと自社より儲かってそう・人月単価が高そうなところに仕事を出すのはクライアントとしてはハードルが高いでしょう。


shutterstock_263120237利益の構造は何次請けかでも左右される

クライアントの状況でもう一つ把握しておきたいのが、クライアントのクライアントはどこなのか、という点です。3D会社のようにゲームや遊技機、アニメの1パートのみ請け負う下請けの会社だと、自社でオリジナル企画を立ち上げるなどしない場合、必ずクライアントにもクライアントがいます。その構造の中で、自社と付き合っているクライアントが大体何次請けのポジションに就いているかは把握した方が良いでしょう。もし、2次請け・3次請けだった場合はそれだけクライアントの人月単価も安くなっていっているはずですし、作業量も少なくなりがちです。最初の頃は応援もかねて声をかけてくれていたかも知れないですが、実際は社内で巻き取ってしまわないと利益にならない仕事だってあったのかもしれません。

また、今まで付き合っていたクライアントは2次請けが多く、そこから請けるときは自社は3次請け。他の新しくはじめた仕事はメーカー直のやり取りも増えてきて自社が2次請けになるときが増えてきた・・・というA社のような状況だった場合、元々付き合っていたクライアントとは横並びになってしまうので、限られたメーカーから仕事をもらおうとしている同じフィールドにいる同士で「仕事ないですか」と言い合っても「ない時はない」としか言えないですし、もうA社が自分の会社を通して仕事をしなくても自力でメーカーに食い込んでいけることは元々のクライアントもわかっているはずです。クライアントがA社を本当に気に入って気にかけている場合、メーカーとA社の間に入って仕事をすることによってのちのちA社が自社に気を遣ってそのメーカーと直で取引できなくなることも考えて、A社に自社の下請け仕事の声をかけることに躊躇してしまっているのかもしれません。下請け同士は協力会社にもなり得ますし、競合にもなりえるので難しいところですが、こうした場合、A社は元々のクライアントと協力関係を結び仕事を相互に行き来させる仕組みを作るべきですし、そのためにも1つ上の段階の会社と付き合って仕事をもらってくるようにシフトした方が良いです。


DESHI師匠を超えたら師匠を助ける

A社の場合は、よくある師弟ものに例えると「めちゃくちゃ修行したらいつのまにか実力が師匠と並び、越えてしまった部分もあったことに気づいた。」という状況です。そうなってしまったら、今度は師匠を助けてあげる存在になるべく更に成長して行くしかないのです。師匠を超える更なる高みを目指して戦いを挑んでいき、必要なときに師匠を呼んで助けてもらいつつ、感謝を示して今まで育ててもらった恩返しをすればいいと思います。

具体的には、A社やもともとのクライアントの売上の10倍以上ある、新しい取引先の獲得に向けて営業の方向性をシフトし、そこに営業をかけて仕事を獲得したら、もともとのクライアントに今度はA社が発注する側として協力をお願いし、相互に仕事を受発注できる関係性を結ぶのです。そして、「起業時にたくさん助けてもらったから御社に発注して恩返しができる、ありがとうございます。」と伝えてあげること。それは結果的に御社の成長にもつながりますし、御社の成長を願って助けてくれたクライアントの仕事にもつながり、より一層両社が連携して伸びていける道です。新しい取引先の獲得について、営業ノウハウが欲しいとかとっかかりとしての取引先紹介が欲しいと言う場合は、お気軽にご相談ください。ビ・ハイアも業界発展のために応援します。

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このブログを書いた人

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大山 莉加執行役員 » 詳細プロフィール

ラクジョブ運営会社ビ・ハイア株式会社のBLofBLにして、千葉出身の東京都港区民。肉食系女子に見せかけたBL。BL好きのコスプレイヤーと思いきや日本で最もアニメゲームマンガ業界の案件情報、ビジネスマッチングに優れてるのでは・・・と思わせる情報量。彼女のおかげで倒産の危機を乗り切ったり、突然ラインが空いた!!という悲劇を乗り切ったアニメゲームマンガ業界の社長も多い。

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ラクジョブ運営会社ビ・ハイア株式会社のBLofBLにして、千葉出身の東京都港区民。肉食系女子に見せかけたBL。BL好きのコスプレイヤーと思いきや日本で最もアニメゲームマンガ業界の案件情報、ビジネスマッチングに優れてるのでは・・・と思わせる情報量。彼女のおかげで倒産の危機を乗り切ったり、突然ラインが空いた!!という悲劇を乗り切ったアニメゲームマンガ業界の社長も多い。

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