2016.04.04 アニメ ゲーム OP 制作 アニメとは違う!?モーション・ピクチャーの世界
モーション・ピクチャーという言葉は確立していない
アニメやゲームのOPのことを、しばしば業界で「モーション・ピクチャー」と呼びます。しかし、「モーション・ピクチャー」とGoogleで検索しても、Wikipediaにも掲載されて折らず一部の人が知恵袋やコトバンクなどで質問をしている程度です。「モーション・ピクチャー」はカタカナ英語ですが、「motion picture」が持つ英語の意味は「映画」のことであり、同じく映画のことを示す「movie」とはしっかり区別を付けているわけではないですが、実写かアニメかという曖昧なニュアンスで使い分けされます。特に、80〜90年代ディズニー作品の映画本編で使われたサウンドをそのままCDに焼いたものを「オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック」として売り出していました。まだ、言葉としては日本では余り確立されておらず、アニメはアニメとして認識されていることが大多数ですが、そのアニメ業界の中でも細分化して切り分けられる「モーション・ピクチャー」とは一体どういったものなのでしょうか。
アニメ本編とOPやPVのアニメ業界的違い
特にアニメやゲームのOPやPVなどショートムービーに対して「モーション・ピクチャー」という呼称が使われることが多いようです。本編アニメとOP・PVなどとの違いは、まずは尺の長さ。それから、台詞や細かなキャラクターの演技でのストーリー進行がない代わりに世界観を音楽と映像のみで表すという部分が主な違いです。本編に比べ、音楽に合わせてより見せ場を意識した作りになって居るのも特徴です。通常、アニメ本編制作では1秒に24コマ分の絵が必要です。とはいえ、全ての絵に変化を付けるのではなく、3コマずつ同じ絵を撮影して計8コマ、まばたきや口パクなど微妙な変化を付けて制作しています。アニメ本編では、ストーリー進行に重きが置かれているため、そうした細かな調整を行いながらキャラクターに演技をさせることが大事なのです。反対に、OPやPVはいかに短い中に本編への期待感を持たせるかが重要で、広告的な役割を担っています。そのため、細かなキャラの演技よりも音楽との一体感や世界観の見せ方・キャラ立ち具合に比重が置かれます。見ているものはアニメーションではありますが、用途・目的も違いますし、動画の枚数に関しても本編ではある程度フォーマットが決まっているのに対しOPやPVではフォーマットが決まっておらず自由に表現できる幅が広いということから、作り方も全く別物だということがわかります。
特に違う部分としては、OPやPVでは必ずしも動画を描く必要が無いということがあげられます。音楽にあっていて世界観が表現でき、広報的に完成していれば、静止画を組み合わせてエフェクトで成立させるということも日常的に行われているのです。これが、アニメ業界の中でアニメとモーション・ピクチャーが区別される所以です。同じ静止画を何枚も描いて撮影段階で動画として成立させるのではなく、1枚の静止画をエフェクトと合わせることによって動画として成立させる、「ピクチャー(静止画)」をモーションさせるOPやPVならではの手法のことを、「モーション・ピクチャー」と区別しています。
ゲーム会社がOPやPVをアニメ会社に頼むのは結構無理な話
アニメは基本、量産体制を敷くことが多く、1話のアニメも1社だけでなく複数社またがって協力して動画枚数をそろえるという手法をとっています。そのため、膨大な工数にかかる人的コストも考えて1話1100万円ほどかかると言われています。単純に1話30分で割ると1分あたりのコストは37万円なので、例えばゲーム会社が自社のOPやPVを1分で作って欲しいと考えた時に37万円だったら広告費用の範囲内だしお願いしたい!と思ったとしても実際はそれは難しいです。なぜならば、その1100万円のコストは1クール作る事を想定して集められたスタッフであり、実際には1クール13話分で広告宣伝費や声優起用なども含めて2億円ほどの予算で動いているチームです。そこに外部の仕事を押し挟む余裕などありませんし、新規で動くとなると新たにキャラクター設定や絵コンテの作成などの作業も発生してしまい更に現場が圧迫されます。最近ではネットでアニメの話数単価などを調べて、アニメ会社に上記のような価格感で名の知れたアニメスタジオに交渉をしているゲーム会社担当者の方もいるようですが、それはビュッフェのレストランにビュッフェの価格から全メニュー数で割った金額で特注メニューを頼みたいと言っているようなもので、不可能です。
モーション・ピクチャーの専門会社が少ないながらもいる
アニメ業界の中では、アニメ会社はアニメ会社、モーション・ピクチャーの会社はモーション・ピクチャーの会社、と棲み分けがされ始めています。もし御社がOPやPVをテレビやOVAと同じクオリティで全部新規作画で作りたいということなら、アニメ会社に依頼するのは有りだと思いますが、当然のことながらテレビシリーズ本編よりも高いクオリティで新規作画でと考えるとそれなりのお値段になることは覚悟した方がいいです。そうではなく、ある程度自社の持っている静止画素材などを組み合わせて広報宣伝用映像として成立させて欲しいというオーダーであれば、モーション・ピクチャーの専門会社に依頼をした方が良いでしょう。最近では、アニメ会社出身で作画も対応できるというモーション・ピクチャー会社もあります。そうしたところであれば、抑えるべき見せ場は新規作画で、そうでない部分はありものの素材を使ってのメリハリをつけた演出で対応するということも出来るので、コストを抑えてクオリティの高いOPやPVの制作を実現できます。
私的な素晴らしいゲームOPといえば、シャイニング・ブレイドのOPです。
ゲームで、キャラの設定画とテーマソングしかない中、うまく静止画と素材、見せ場のアニメーションを組み合わせて2分弱にまとめています。ゲームなので、どんなキャラがでているかが重要ポイントなのですが、それもうまく演出の中で登場させ回収しているところが素晴らしいです。
また、シャリーのアトリエに関してもOPとしては珍しいゆっくりな曲調で、英語の歌詞という難易度にもかかわらず見せ場をしっかり見せ、ヒロインを魅力的に魅せて一気に世界観に引き込む映像に仕上げているところがさすがです!
これらのOPを制作しているのは、株式会社ポイント・ピクチャーズという会社です。
◆株式会社ポイント・ピクチャーズ
・HP:http://www.point-p.jp/top.html
ご興味が有ればご紹介しますので、ぜひお気軽に下記フォームからご連絡ください。
アニメやゲームのOPのことを、しばしば業界で「モーション・ピクチャー」と呼びます。しかし、「モーション・ピクチャー」とGoogleで検索しても、Wikipediaにも掲載されて折らず一部の人が知恵袋やコトバンクなどで質問をしている程度です。「モーション・ピクチャー」はカタカナ英語ですが、「motion picture」が持つ英語の意味は「映画」のことであり、同じく映画のことを示す「movie」とはしっかり区別を付けているわけではないですが、実写かアニメかという曖昧なニュアンスで使い分けされます。特に、80〜90年代ディズニー作品の映画本編で使われたサウンドをそのままCDに焼いたものを「オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック」として売り出していました。まだ、言葉としては日本では余り確立されておらず、アニメはアニメとして認識されていることが大多数ですが、そのアニメ業界の中でも細分化して切り分けられる「モーション・ピクチャー」とは一体どういったものなのでしょうか。
アニメ本編とOPやPVのアニメ業界的違い
特にアニメやゲームのOPやPVなどショートムービーに対して「モーション・ピクチャー」という呼称が使われることが多いようです。本編アニメとOP・PVなどとの違いは、まずは尺の長さ。それから、台詞や細かなキャラクターの演技でのストーリー進行がない代わりに世界観を音楽と映像のみで表すという部分が主な違いです。本編に比べ、音楽に合わせてより見せ場を意識した作りになって居るのも特徴です。通常、アニメ本編制作では1秒に24コマ分の絵が必要です。とはいえ、全ての絵に変化を付けるのではなく、3コマずつ同じ絵を撮影して計8コマ、まばたきや口パクなど微妙な変化を付けて制作しています。アニメ本編では、ストーリー進行に重きが置かれているため、そうした細かな調整を行いながらキャラクターに演技をさせることが大事なのです。反対に、OPやPVはいかに短い中に本編への期待感を持たせるかが重要で、広告的な役割を担っています。そのため、細かなキャラの演技よりも音楽との一体感や世界観の見せ方・キャラ立ち具合に比重が置かれます。見ているものはアニメーションではありますが、用途・目的も違いますし、動画の枚数に関しても本編ではある程度フォーマットが決まっているのに対しOPやPVではフォーマットが決まっておらず自由に表現できる幅が広いということから、作り方も全く別物だということがわかります。
特に違う部分としては、OPやPVでは必ずしも動画を描く必要が無いということがあげられます。音楽にあっていて世界観が表現でき、広報的に完成していれば、静止画を組み合わせてエフェクトで成立させるということも日常的に行われているのです。これが、アニメ業界の中でアニメとモーション・ピクチャーが区別される所以です。同じ静止画を何枚も描いて撮影段階で動画として成立させるのではなく、1枚の静止画をエフェクトと合わせることによって動画として成立させる、「ピクチャー(静止画)」をモーションさせるOPやPVならではの手法のことを、「モーション・ピクチャー」と区別しています。
ゲーム会社がOPやPVをアニメ会社に頼むのは結構無理な話
アニメは基本、量産体制を敷くことが多く、1話のアニメも1社だけでなく複数社またがって協力して動画枚数をそろえるという手法をとっています。そのため、膨大な工数にかかる人的コストも考えて1話1100万円ほどかかると言われています。単純に1話30分で割ると1分あたりのコストは37万円なので、例えばゲーム会社が自社のOPやPVを1分で作って欲しいと考えた時に37万円だったら広告費用の範囲内だしお願いしたい!と思ったとしても実際はそれは難しいです。なぜならば、その1100万円のコストは1クール作る事を想定して集められたスタッフであり、実際には1クール13話分で広告宣伝費や声優起用なども含めて2億円ほどの予算で動いているチームです。そこに外部の仕事を押し挟む余裕などありませんし、新規で動くとなると新たにキャラクター設定や絵コンテの作成などの作業も発生してしまい更に現場が圧迫されます。最近ではネットでアニメの話数単価などを調べて、アニメ会社に上記のような価格感で名の知れたアニメスタジオに交渉をしているゲーム会社担当者の方もいるようですが、それはビュッフェのレストランにビュッフェの価格から全メニュー数で割った金額で特注メニューを頼みたいと言っているようなもので、不可能です。
モーション・ピクチャーの専門会社が少ないながらもいる
アニメ業界の中では、アニメ会社はアニメ会社、モーション・ピクチャーの会社はモーション・ピクチャーの会社、と棲み分けがされ始めています。もし御社がOPやPVをテレビやOVAと同じクオリティで全部新規作画で作りたいということなら、アニメ会社に依頼するのは有りだと思いますが、当然のことながらテレビシリーズ本編よりも高いクオリティで新規作画でと考えるとそれなりのお値段になることは覚悟した方がいいです。そうではなく、ある程度自社の持っている静止画素材などを組み合わせて広報宣伝用映像として成立させて欲しいというオーダーであれば、モーション・ピクチャーの専門会社に依頼をした方が良いでしょう。最近では、アニメ会社出身で作画も対応できるというモーション・ピクチャー会社もあります。そうしたところであれば、抑えるべき見せ場は新規作画で、そうでない部分はありものの素材を使ってのメリハリをつけた演出で対応するということも出来るので、コストを抑えてクオリティの高いOPやPVの制作を実現できます。
私的な素晴らしいゲームOPといえば、シャイニング・ブレイドのOPです。
ゲームで、キャラの設定画とテーマソングしかない中、うまく静止画と素材、見せ場のアニメーションを組み合わせて2分弱にまとめています。ゲームなので、どんなキャラがでているかが重要ポイントなのですが、それもうまく演出の中で登場させ回収しているところが素晴らしいです。
また、シャリーのアトリエに関してもOPとしては珍しいゆっくりな曲調で、英語の歌詞という難易度にもかかわらず見せ場をしっかり見せ、ヒロインを魅力的に魅せて一気に世界観に引き込む映像に仕上げているところがさすがです!
これらのOPを制作しているのは、株式会社ポイント・ピクチャーズという会社です。
◆株式会社ポイント・ピクチャーズ
・HP:http://www.point-p.jp/top.html
ご興味が有ればご紹介しますので、ぜひお気軽に下記フォームからご連絡ください。
このブログを書いた人
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大山 莉加執行役員 » 詳細プロフィール
ラクジョブ運営会社ビ・ハイア株式会社のBLofBLにして、千葉出身の東京都港区民。肉食系女子に見せかけたBL。BL好きのコスプレイヤーと思いきや日本で最もアニメゲームマンガ業界の案件情報、ビジネスマッチングに優れてるのでは・・・と思わせる情報量。彼女のおかげで倒産の危機を乗り切ったり、突然ラインが空いた!!という悲劇を乗り切ったアニメゲームマンガ業界の社長も多い。