2016.01.08 毎年1万人以上応募があったビ・ハイアが会社説明会をやめた理由
ビ・ハイアが説明会をしなくなった理由
読んでいただきありがとうございます。応募者は全て私が選考する。私は採用活動に強いこだわりがあります。特に新卒採用において、私は書類選考から面接まで全て社長である私がやります。それは応募してきた学生さんに真剣に対応したいからです。
そんな私が、新卒募集において説明会を余りやらなくなった理由について書きたいと思います。2009年からビ・ハイアは新卒採用を初めて2014年まで説明会を毎年開催していました。リクナビ、エン・ジャパン、マイナビなどの主要な新卒サイトには殆ど広告を掲載し、広告費用だけで400万以上かけていました。説明会会場費用、諸経費、人件費などを考えると、1,000万近くかかっていました。これは相当な金額でしたが、それでもいい人と出会いたい!という想いからお金と時間を投資していました。
それで集まるエントリー数は少なくても1万人。多いと2万エントリー近くになります。この数字は同じ規模のベンチャー企業のなかでも圧倒的でとにかく、大量の応募者が集まりました。しかし、ビ・ハイアの規模は社員数10名程度。バイトやインターンを入れても多くて20名程度です。採用人数もいい人がいれば10人とかは採用しますが、100人とかには絶対なりません。そこに1〜2万人が殺到するのです。
とにかく沢山の学生と会おうと思った
折角エントリーしてくれたのだから・・・と一人でも多くの学生と会うように私も説明会を開催しました。一回の説明会の会場規模は最初は30〜50人程度でしたが、それが100名規模になり、300名規模になり・・・それでも毎回満員です。300名規模の説明会を10回やっても3000人にしか会えません。1万エントリーの中の全体の30%ですし、2万エントリーなら15%です。しかし、これが限界でした。これ以上説明会を開催すると本業に影響が出ます。説明会ばかりやって売上が下がった、なんて本末転倒です。
カフェを借り切って説明会をした時もありました
学生さん達も普通の説明会ばかりはつまらないだろうし、何か面白いことをやろう!と言う事でカフェを借り切って説明会をしたこともありました。吉祥寺のゼノンカフェ(コミックゼノンさんのカフェですね)や新宿のキリストンカフェなどを貸し切ってやっていました。その度に行列、行列、超満員。もう、どうしようっていうくらい学生さんが来てくれます。しかし、いくら3,000人以上にあっても、採用するのは多くても10名まで。少なければ1名です。そのことも募集サイトには書いていましたが、それでも学生さんはビ・ハイアに興味を持って、そして内定が欲しくて応募してきます。
1日3回説明会をしたときは声がかれてへとへとでした
学生さんに何とか答えようと思い、説明会を開催し、数千枚の履歴書が届き、その全てに私は目を通していました。よくある、採用担当が目を通して書類選考をしてから社長に回す、というのは一切やっていません。毎年数千枚以上の履歴書をチェックしていました。私は文字を読むのが速いのではかどりましたが、それでも限界があります。
そして、次に面接があります。書類選考で3,000人を500〜1,000人に絞っても、少なくとも500〜1,000人に会う必要があり、これを1次面接を集団面接にして5名同時に会っても100〜200回行う必要があります。1回に必要な時間は2時間だとすると200〜400時間かかり、それだけで1ヶ月の仕事が潰れるくらいです。
そこから2次面接までに100〜200人に絞り、今度は一人一人会って・・・ここでも、100〜200時間かかります。そして3次面接(だいたい最終面接)の時には50〜100人くらいに絞られますが、それでも100時間はかかります。そこでやっと合格を出します。合格する人数は多いときで4名。少ないと2名ほどでした。
説明会、書類選考、1次〜最終面接までに合計500時間以上かかっています。すごい手間をかけています。しかし、手間をかけてくれているのは学生さんも同じです。
沖縄や北海道から来る学生もいる
そして学生さんも手間をかけています。ビ・ハイアのオフィスは東京の都心にありますが、学生さんは北海道や沖縄から説明会に参加したりします。面接も遠方から来ます。すごい手間をかけてくれているわけです。
説明会に参加して、あ、ちょっと違ったな、と思ってエントリーを辞退する学生さんはまだマシです。2次面接まで来て北海道とか沖縄まで来ていたらすごい手間です。全てに交通費を上げたいところですが、そうすると交通費だけで数千万以上かかり、現実的ではありません。
学生も企業も疲れるなら止めてしまおう
もう、こんなにお互い疲れるなら説明会自体を止めよう。そう思い、ビ・ハイアでは2014年3月卒業生向け以降説明会を開催するのを止めました。
とはいえ、採用活動は続けるので別の方法を考える必要があります。そこで考えたのがYouTubeと自社採用HPを連動させた採用コンテンツの充実でした。まず、この自社採用HPは他社に比べて圧倒的な情報量です。リクナビなどの新卒募集サイトは掲載するのに条件があり、文字数なども限られていますが、これは自社サイトなので一切気にする必要がありません。
更にそこに下記のような動画も沢山アップしました。
などです。募集動画だけで50個上げて、更に他の共感を呼びそうな動画だけで500本は上げました。他にも私が行ってるセミナーなどを積極的に動画に上げました。
などです。これらの動画や採用HPを充実させることにより、2015年はインターンだけで10名以上採用できました。そこから実際に正式採用になった人は3名います。動画や文章が大量に上がっているのでミスマッチが減りました。遠方から応募する人も本当に自分が応募するべきかどうか、をしっかり考える事が出来ます。更に、質問には全て私が答えましたから面接に来る段階で『殆ど聞きたいことはある程度聞き終えた状態』で来るのでさらに深い話をする事が出来ました。結果的に新卒サイトを使わなくても良い人材が採用できたのです。
再生時間320万分 再生回数173万回以上
これは1年間ほどの統計ですが、動画でこれだけ先に会社のコンテンツに触れてくれていたらミスマッチはかなり減ります。新卒求人広告は集客するのにはかなり役立ちます。実際ビ・ハイアも自社採用HPだけで1万人以上応募は来ません。しかし、文字と写真、たまに動画が少し・・・その程度ではやはりミスマッチが増えるのです。それは企業にとっても損失を生み出し、学生さんの就職活動についてもストレスを生みます。
学生さんが就活で毎年100人以上自殺しますし、中小企業の経営者や個人事業主は毎年2,000〜3,000人近く自殺します。こうした経営者と学生のストレスを少しでも減らせないか・・・という思いもあってミスマッチを減らす採用活動を常に考え、今回は自社求人においてそれを実現しました。
デメリットは応募数が減ること メリットはマッチング率が上がること
です。この自社採用HP、動画コンテンツを充実させる手法の最大のメリットでもありデメリットでもあるのが、応募数が減ることです。ビ・ハイアではネガティブと感じる情報(残業が多い、仕事が大変)もガンガン配信していますからそれに引いてしまってそもそも応募しない人も増えます。
動画で私が喋る、ということは私の色んな情報が伝わります。やばい、この人は明らかに変人だ、という事も伝わるでしょう。私の来ているシャツは派手ですし、ファッション自体でちょっと違うな、という応募者もいるのです。そういう人が応募してこなくなるので応募数は絶対に減ります。
そういう人はそもそも応募して面接をしても時間の無駄だった・・・という可能性が非常に高いです。だから応募数が減ること自体はプラスです。しかし、それを割り切れる人は結構少なくて、もしかしたらその中に良い人材がいたかもしれない・・・と悩む人もいます。それは別にかまいません。世の中に100%成功する採用方法なんてものはないからです。私がそれを発見したら大金持ちになっているでしょうし、私以外の誰かが発見したらラクジョブは意味が無くなるので閉鎖します。
応募者、企業、両方の時間を貴重にしてストレスを減らしたい
経営とは取捨選択であり、決断をして、可能性を捨て、可能性を選ぶことです。完璧な正解などないなら、私は一般的な手法ではなく、自ら考え、試行錯誤し、運用してきたこの新しい採用方法に挑戦したい、そう思って説明会自体を止めました。この方法は広告さえ出せば応募が来る、と言うやり方よりも大変かもしれません。サイトの定期的な更新などはかなり手間がかかります。ぶっちゃけ、求人広告を出して終わり、のほうが楽だな、と感じます。
しかし、最も大事なポイント。ミスマッチを減らす、それによって企業の貴重な時間コストを減らす、応募者の貴重な人生の時間を浪費しない、と言う観点で見たときに、この手法を磨き上げていくことは絶対にプラスだと確信しています。
応募者にとっても人生の時間を浪費せず企業にとっても採用におけるミスマッチが減る、この方法は一般的では無いかもしれません。しかし、一般的な方法ではないからこそ、ベンチャー企業らしい、とも言えます。伝統的な大企業では無い限り、単に求人広告を出して終わり、とするのではなくこうした手法も1つ視野に入れてみてはどうでしょうか。
この記事ではその役に少しでも立てれば、と思い採用戦略の情報としてアップしました。この戦略に基づいた採用についての相談をしたい人は下記フォームかthanks@raku-job.jpか03-4577-9005までお電話下さい。
読んでいただきありがとうございます。応募者は全て私が選考する。私は採用活動に強いこだわりがあります。特に新卒採用において、私は書類選考から面接まで全て社長である私がやります。それは応募してきた学生さんに真剣に対応したいからです。
そんな私が、新卒募集において説明会を余りやらなくなった理由について書きたいと思います。2009年からビ・ハイアは新卒採用を初めて2014年まで説明会を毎年開催していました。リクナビ、エン・ジャパン、マイナビなどの主要な新卒サイトには殆ど広告を掲載し、広告費用だけで400万以上かけていました。説明会会場費用、諸経費、人件費などを考えると、1,000万近くかかっていました。これは相当な金額でしたが、それでもいい人と出会いたい!という想いからお金と時間を投資していました。
それで集まるエントリー数は少なくても1万人。多いと2万エントリー近くになります。この数字は同じ規模のベンチャー企業のなかでも圧倒的でとにかく、大量の応募者が集まりました。しかし、ビ・ハイアの規模は社員数10名程度。バイトやインターンを入れても多くて20名程度です。採用人数もいい人がいれば10人とかは採用しますが、100人とかには絶対なりません。そこに1〜2万人が殺到するのです。
とにかく沢山の学生と会おうと思った
折角エントリーしてくれたのだから・・・と一人でも多くの学生と会うように私も説明会を開催しました。一回の説明会の会場規模は最初は30〜50人程度でしたが、それが100名規模になり、300名規模になり・・・それでも毎回満員です。300名規模の説明会を10回やっても3000人にしか会えません。1万エントリーの中の全体の30%ですし、2万エントリーなら15%です。しかし、これが限界でした。これ以上説明会を開催すると本業に影響が出ます。説明会ばかりやって売上が下がった、なんて本末転倒です。
カフェを借り切って説明会をした時もありました
学生さん達も普通の説明会ばかりはつまらないだろうし、何か面白いことをやろう!と言う事でカフェを借り切って説明会をしたこともありました。吉祥寺のゼノンカフェ(コミックゼノンさんのカフェですね)や新宿のキリストンカフェなどを貸し切ってやっていました。その度に行列、行列、超満員。もう、どうしようっていうくらい学生さんが来てくれます。しかし、いくら3,000人以上にあっても、採用するのは多くても10名まで。少なければ1名です。そのことも募集サイトには書いていましたが、それでも学生さんはビ・ハイアに興味を持って、そして内定が欲しくて応募してきます。
1日3回説明会をしたときは声がかれてへとへとでした
学生さんに何とか答えようと思い、説明会を開催し、数千枚の履歴書が届き、その全てに私は目を通していました。よくある、採用担当が目を通して書類選考をしてから社長に回す、というのは一切やっていません。毎年数千枚以上の履歴書をチェックしていました。私は文字を読むのが速いのではかどりましたが、それでも限界があります。
そして、次に面接があります。書類選考で3,000人を500〜1,000人に絞っても、少なくとも500〜1,000人に会う必要があり、これを1次面接を集団面接にして5名同時に会っても100〜200回行う必要があります。1回に必要な時間は2時間だとすると200〜400時間かかり、それだけで1ヶ月の仕事が潰れるくらいです。
そこから2次面接までに100〜200人に絞り、今度は一人一人会って・・・ここでも、100〜200時間かかります。そして3次面接(だいたい最終面接)の時には50〜100人くらいに絞られますが、それでも100時間はかかります。そこでやっと合格を出します。合格する人数は多いときで4名。少ないと2名ほどでした。
説明会、書類選考、1次〜最終面接までに合計500時間以上かかっています。すごい手間をかけています。しかし、手間をかけてくれているのは学生さんも同じです。
沖縄や北海道から来る学生もいる
そして学生さんも手間をかけています。ビ・ハイアのオフィスは東京の都心にありますが、学生さんは北海道や沖縄から説明会に参加したりします。面接も遠方から来ます。すごい手間をかけてくれているわけです。
説明会に参加して、あ、ちょっと違ったな、と思ってエントリーを辞退する学生さんはまだマシです。2次面接まで来て北海道とか沖縄まで来ていたらすごい手間です。全てに交通費を上げたいところですが、そうすると交通費だけで数千万以上かかり、現実的ではありません。
学生も企業も疲れるなら止めてしまおう
もう、こんなにお互い疲れるなら説明会自体を止めよう。そう思い、ビ・ハイアでは2014年3月卒業生向け以降説明会を開催するのを止めました。
とはいえ、採用活動は続けるので別の方法を考える必要があります。そこで考えたのがYouTubeと自社採用HPを連動させた採用コンテンツの充実でした。まず、この自社採用HPは他社に比べて圧倒的な情報量です。リクナビなどの新卒募集サイトは掲載するのに条件があり、文字数なども限られていますが、これは自社サイトなので一切気にする必要がありません。
更にそこに下記のような動画も沢山アップしました。
などです。募集動画だけで50個上げて、更に他の共感を呼びそうな動画だけで500本は上げました。他にも私が行ってるセミナーなどを積極的に動画に上げました。
などです。これらの動画や採用HPを充実させることにより、2015年はインターンだけで10名以上採用できました。そこから実際に正式採用になった人は3名います。動画や文章が大量に上がっているのでミスマッチが減りました。遠方から応募する人も本当に自分が応募するべきかどうか、をしっかり考える事が出来ます。更に、質問には全て私が答えましたから面接に来る段階で『殆ど聞きたいことはある程度聞き終えた状態』で来るのでさらに深い話をする事が出来ました。結果的に新卒サイトを使わなくても良い人材が採用できたのです。
再生時間320万分 再生回数173万回以上
これは1年間ほどの統計ですが、動画でこれだけ先に会社のコンテンツに触れてくれていたらミスマッチはかなり減ります。新卒求人広告は集客するのにはかなり役立ちます。実際ビ・ハイアも自社採用HPだけで1万人以上応募は来ません。しかし、文字と写真、たまに動画が少し・・・その程度ではやはりミスマッチが増えるのです。それは企業にとっても損失を生み出し、学生さんの就職活動についてもストレスを生みます。
学生さんが就活で毎年100人以上自殺しますし、中小企業の経営者や個人事業主は毎年2,000〜3,000人近く自殺します。こうした経営者と学生のストレスを少しでも減らせないか・・・という思いもあってミスマッチを減らす採用活動を常に考え、今回は自社求人においてそれを実現しました。
デメリットは応募数が減ること メリットはマッチング率が上がること
です。この自社採用HP、動画コンテンツを充実させる手法の最大のメリットでもありデメリットでもあるのが、応募数が減ることです。ビ・ハイアではネガティブと感じる情報(残業が多い、仕事が大変)もガンガン配信していますからそれに引いてしまってそもそも応募しない人も増えます。
動画で私が喋る、ということは私の色んな情報が伝わります。やばい、この人は明らかに変人だ、という事も伝わるでしょう。私の来ているシャツは派手ですし、ファッション自体でちょっと違うな、という応募者もいるのです。そういう人が応募してこなくなるので応募数は絶対に減ります。
そういう人はそもそも応募して面接をしても時間の無駄だった・・・という可能性が非常に高いです。だから応募数が減ること自体はプラスです。しかし、それを割り切れる人は結構少なくて、もしかしたらその中に良い人材がいたかもしれない・・・と悩む人もいます。それは別にかまいません。世の中に100%成功する採用方法なんてものはないからです。私がそれを発見したら大金持ちになっているでしょうし、私以外の誰かが発見したらラクジョブは意味が無くなるので閉鎖します。
応募者、企業、両方の時間を貴重にしてストレスを減らしたい
経営とは取捨選択であり、決断をして、可能性を捨て、可能性を選ぶことです。完璧な正解などないなら、私は一般的な手法ではなく、自ら考え、試行錯誤し、運用してきたこの新しい採用方法に挑戦したい、そう思って説明会自体を止めました。この方法は広告さえ出せば応募が来る、と言うやり方よりも大変かもしれません。サイトの定期的な更新などはかなり手間がかかります。ぶっちゃけ、求人広告を出して終わり、のほうが楽だな、と感じます。
しかし、最も大事なポイント。ミスマッチを減らす、それによって企業の貴重な時間コストを減らす、応募者の貴重な人生の時間を浪費しない、と言う観点で見たときに、この手法を磨き上げていくことは絶対にプラスだと確信しています。
応募者にとっても人生の時間を浪費せず企業にとっても採用におけるミスマッチが減る、この方法は一般的では無いかもしれません。しかし、一般的な方法ではないからこそ、ベンチャー企業らしい、とも言えます。伝統的な大企業では無い限り、単に求人広告を出して終わり、とするのではなくこうした手法も1つ視野に入れてみてはどうでしょうか。
この記事ではその役に少しでも立てれば、と思い採用戦略の情報としてアップしました。この戦略に基づいた採用についての相談をしたい人は下記フォームかthanks@raku-job.jpか03-4577-9005までお電話下さい。
このブログを書いた人
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清水 有高ビ・ハイア株式会社 代表取締役社長 » 詳細プロフィール
アニメゲームマンガ専門求人サイトラクジョブ 運営会社代表。アニメ超好き・ゲーム超好き・マンガ超好き。アニメゲームマンガはBlu-rayも、ゲームも、マンガもジャケ買いが楽しい。後、読書大好き。マンガ以外に一月1,500冊以上読む読書家。アニメゲームマンガに囲まれて生きるためにこの会社を作ったような人。