2017.08.17 【大山のBL語り】第24回『gift』一ノ瀬ゆま
※ここからは完全に趣味です。
◆『gift』一ノ瀬ゆま
http://amzn.to/2wa1u3k
Amazonよりあらすじ引用
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宥は美しく獰猛な青年・勁をボクサーの道へと誘うが、性的指向を知られ奇妙な共犯関係に陥る……。邂逅と宿命の物語、上巻!!
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こここここれはすすすすごい本ですよ・・・!
偶然出会ってしまった勁と宥の運命の歯車の行く末が気になりすぎて、
まだ出てない下巻でどうなってしまうのか全裸待機なわけなのですが・・・!
この作品のすごいところは、描いているのは恋愛なんだけど、恋愛のゴールが達成されるためには、自分の出自、つまりは「家族問題」を解決しないといけない、というところが描かれているところです。
私なんかは毒親問題で配信もしていて、今もその問題には取り組み続けているところですが、こと人間関係・恋愛も含め、親から植えつけられた自分の自分への自己評価がかなり影響してくるということが、自分自身の経験としても本で学んだ知識としても明らかになっています。
特に顕著なのは勁の方で、ロシア人の特徴を色濃く受け継いだ銀髪碧眼を持って生まれ、母親が失踪し飲んだくれの父と心無い兄が残ったせいで小さい頃から男女関係なくウリをさせられ暴力を振るわれ、いつの間にか感情を持った子供らしい人格を封じ込め、人格を二つに分けて自分の人生をビデオゲームのように俯瞰して無感情に操作することで、痛みも熱さも感情も感じなくさせて育ってしまった19歳。
常に次の行動を選択肢で用意して、より面倒ごとにならない方を機械的に選ぶ、
主体性もなく未来に希望もなく、ただただ流れに沿って生きることで全てを諦めている青年が初めて出会ったのが、ボクシングのトレーナーをするぐらいには世話好きで
大事な人や場所を守るために自分の本音に蓋をして臆病になってしまっている自己犠牲の人、宥でした。
宥は、勁の生い立ちやどうしようもない家族の話を聞いてぶん殴ってやりたいぐらい
腹をたてることができる優しい男です。家族もいるしまともに育っているように見えるけど、この宥も、家族の被害者です。自分の父親が成果を出したボクサーだったことから、自分がボクサーとして芽が出なかったことを引け目に思い、「期待を裏切るどころか、最初から期待なんてされていなかったんだ」と考えています。
親から必要とされていないと自分を定義してしまっていることほど、子供が自分自身を傷つけることはありません。ボクサーとして成果を出せず存在意義を見出せない。そればかりか、自分はゲイで、父のボクシングの後継者を血筋として残すこともできないのです。自分の誇りである父と、父のボクシングジムに集まってくるボクサーの卵たちに愛情を持っているがゆえに、父にも、ボクシングジムにも価値を残せない自分を恨み、ボクサーとして育って行く門下生の成長に喜びを感じつつも、なぜこの喜びを自分も父に感じさせてあげられないか、と自分を責めたことでしょう。
育ってきた環境は違えど、共に家族にそれぞれの問題を抱える二人が、
初めて自分の心に従って、今までこだわってきたものを投げ打っても欲しいと思った相手ができた時、その新しい選択には過去からの弊害や解決すべき問題が次々と襲い掛かります。
毒親と戦う私としては、彼らがどんな結論を出し、どのように解決するのか自分のことのように気にかかるし毎話胸が苦しいです。お話としても骨太ですので、ぜひBLという枠に納めずに読んで欲しい一作です!
◆『gift』一ノ瀬ゆま
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宥は美しく獰猛な青年・勁をボクサーの道へと誘うが、性的指向を知られ奇妙な共犯関係に陥る……。邂逅と宿命の物語、上巻!!
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こここここれはすすすすごい本ですよ・・・!
偶然出会ってしまった勁と宥の運命の歯車の行く末が気になりすぎて、
まだ出てない下巻でどうなってしまうのか全裸待機なわけなのですが・・・!
この作品のすごいところは、描いているのは恋愛なんだけど、恋愛のゴールが達成されるためには、自分の出自、つまりは「家族問題」を解決しないといけない、というところが描かれているところです。
私なんかは毒親問題で配信もしていて、今もその問題には取り組み続けているところですが、こと人間関係・恋愛も含め、親から植えつけられた自分の自分への自己評価がかなり影響してくるということが、自分自身の経験としても本で学んだ知識としても明らかになっています。
特に顕著なのは勁の方で、ロシア人の特徴を色濃く受け継いだ銀髪碧眼を持って生まれ、母親が失踪し飲んだくれの父と心無い兄が残ったせいで小さい頃から男女関係なくウリをさせられ暴力を振るわれ、いつの間にか感情を持った子供らしい人格を封じ込め、人格を二つに分けて自分の人生をビデオゲームのように俯瞰して無感情に操作することで、痛みも熱さも感情も感じなくさせて育ってしまった19歳。
常に次の行動を選択肢で用意して、より面倒ごとにならない方を機械的に選ぶ、
主体性もなく未来に希望もなく、ただただ流れに沿って生きることで全てを諦めている青年が初めて出会ったのが、ボクシングのトレーナーをするぐらいには世話好きで
大事な人や場所を守るために自分の本音に蓋をして臆病になってしまっている自己犠牲の人、宥でした。
宥は、勁の生い立ちやどうしようもない家族の話を聞いてぶん殴ってやりたいぐらい
腹をたてることができる優しい男です。家族もいるしまともに育っているように見えるけど、この宥も、家族の被害者です。自分の父親が成果を出したボクサーだったことから、自分がボクサーとして芽が出なかったことを引け目に思い、「期待を裏切るどころか、最初から期待なんてされていなかったんだ」と考えています。
親から必要とされていないと自分を定義してしまっていることほど、子供が自分自身を傷つけることはありません。ボクサーとして成果を出せず存在意義を見出せない。そればかりか、自分はゲイで、父のボクシングの後継者を血筋として残すこともできないのです。自分の誇りである父と、父のボクシングジムに集まってくるボクサーの卵たちに愛情を持っているがゆえに、父にも、ボクシングジムにも価値を残せない自分を恨み、ボクサーとして育って行く門下生の成長に喜びを感じつつも、なぜこの喜びを自分も父に感じさせてあげられないか、と自分を責めたことでしょう。
育ってきた環境は違えど、共に家族にそれぞれの問題を抱える二人が、
初めて自分の心に従って、今までこだわってきたものを投げ打っても欲しいと思った相手ができた時、その新しい選択には過去からの弊害や解決すべき問題が次々と襲い掛かります。
毒親と戦う私としては、彼らがどんな結論を出し、どのように解決するのか自分のことのように気にかかるし毎話胸が苦しいです。お話としても骨太ですので、ぜひBLという枠に納めずに読んで欲しい一作です!
このブログを書いた人
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大山 莉加執行役員 » 詳細プロフィール
ラクジョブ運営会社ビ・ハイア株式会社のBLofBLにして、千葉出身の東京都港区民。肉食系女子に見せかけたBL。BL好きのコスプレイヤーと思いきや日本で最もアニメゲームマンガ業界の案件情報、ビジネスマッチングに優れてるのでは・・・と思わせる情報量。彼女のおかげで倒産の危機を乗り切ったり、突然ラインが空いた!!という悲劇を乗り切ったアニメゲームマンガ業界の社長も多い。