2016.01.04 御社の営業マンは仕事してますか? アニメゲームマンガ業界における営業という存在について
開発会社の経営者というのは、多くの人が「ゲームを作りたい」とか、世界一のCGプロダクションになりたい、とか何かしらの夢を持っているものです。また、クリエイターも同様で、作品に対しての思い入れや何かしらの夢を持っていることが圧倒的に多いです。例えば、弊社で以前こんな調査をした事がありました。
ゲーム業界 働きたい会社ベスト5を売上、初任給、伸び率、従業員数などで分析してみる
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ゲーム業界の新卒で働きたい会社ランキングを取ったのですが、1位は「バンダイナムコエンターテインメント」でした。これは候補となった会社の中では最も初任給が低かったのです。このアンケートに象徴されるように、クリエイターの関心事は お金<いい作品が作れること です。アニメ業界もマンガ業界も同様です。アニメーターなど、20代のうちは下積み時代として中割りの絵を量産する仕事につきますが、この時代は年収が100万円台とも言われ、好きでなければ続くわけがありません。一方で「営業職」の人は、一般職です。もちろん、ディレクターが兼任していたり、代表の人が営業をしていたりするケースもあるでしょう。今回はそんなケースを除外します。アニメゲームマンガ業界において「営業マン」として入社するケースが一定数存在します。そんな場合には、当然起こりうることとして、社内のクリエイター気質の人と目的意識がずれてしまう、と言うことがあります。こちらの記事をご覧になってみて下さい。
グラフ引用元 営業Typeさんより
こちらは営業マン443人に対するアンケート調査ですが、「給与」と「仕事内容」を天秤にかけた際に、過半数は「給与」であるという結果が出ています。私自身も営業であるので実感することですが、営業職は成果が売上という数字に反映され、自分の給与への関連も分かりやすいので、「売上」に意識が傾きがちなのです。また、営業職の場合には業務委託契約のケースも多いですが、その場合は会社への帰属意識も薄くなるため、余計に現場の人と目的意識がズレやすくなってしまいます。もちろん、それ自体は大きく問題視することでは無いかも知れません。営業は営業、クリエイターはクリエイターで自分の職務を全うしていれば良いからです。しかし、営業職というのは自分がどう行動するかによって成果がまるきり変わってきます。やる気のない営業マンは成果を出しにくいのです。取引先の会社にもたまにいるのですが、会社や仕事の紹介をしても、その後の継続的な行動を怠ったがために失注、と言うケースは本当に多いです。これでは現場の人も経営者も浮かばれません。いったいどんな解決策があるでしょうか。
1つには、営業の1つ1つのアクションと、自分の給料がどう関係しているのかを提示することだと思います。つまり自分の給料に関心があるのであれば、自分の給料と仕事がどう関係しているのかわからせれば良いのです。そのために必要な材料はこちらの記事です。
業界の仕事の人月相場について
アニメゲーム映像制作業界 平均人月速報
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ゲーム開発受託営業 その人月値下げが炎上と倒産の第一歩
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上の2つの記事を読めば、1つ1つの行動が、会社の売上にどう影響するのかが分かるようになります。また、この本もオススメです。会社会計の本ですが、売上と営業マンの給料の関係について詳しく書いてあります。
東大卒でも赤字社員-中卒でも黒字社員-―会社が捨てるのは、利益を出せない人-リュウ・ブックス-アステ新書経営者にはおなじみの話ですが、営業マンが月収25万円を得るのに必要経費をふくめてその数倍の売上が必要になります。会社の資金繰りと自分の給料の因果関係が分かってくれば、勤務についての意識も変わるはずです。
もう一つ言えることとしては、やはり会社の理念を理解してもらう事でしょう。作りたい作品、将来の夢など、なかなか言語化することも難しいとは思いますが、伝える価値は必ずあります。営業も作品作りも、会社の成長という観点から言えば車の両輪のような関係である筈です。それなら相互理解のもと働いた方が生産性は高まるはずです。私自身も、今の会社に入るまでアニメゲームマンガ業界のことなどよく知りませんでした。自分が何を売っているのか、何のために足を動かしているのか、分からずに働くことはつらいものです。しかし仕事を続けるうちに、業界の事も分かってくるし、自分の働く事の意味も分かってきます。好きだからモチベーションがわく、といいますが、実際は逆のことも多いです。すなわち知ってから好きになり、知ろうとすることで初めてモチベーションが湧くのです。私自身は上司から教えてもらったことが多かったです。モチベーションの湧かない営業マンがいれば、コミュニケーションが足りていないだけかも知れません。
営業マンで、会社と合わずに辞めていく人、成績の振るわない人を何人か見てきました。そんな人がどうすればモチベーション上がるか?ということを書きました。参考になれば幸いです。
このブログを書いた人
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床井 和経 » 詳細プロフィール
ラクジョブ運営会社きっての良い意味の問題児。空気を読まない、お客からの好き嫌いもかなりハッキリ分かれる。床井さん最高!と言われたり、その逆を言われたり、それが床井の魅力だ!と代表も納得済み。学習院大学をでて勉強が好きなので今でも勉強を続け、更にビジネスマンとしても成長するために仕事もドンドン成長中!それでも床井は床井のままでいて欲しい。