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【大山のBL語り】第33回

※ここからは完全に趣味です。

◆『秘すれば花成り！』福嶋ユッカ
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コミックシーモアよりあらすじ引用
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「俺も顔はかなり好みだな」着物をしゃんと着こなし覇王戦にのぞむ、将棋界で注目のイケメン若手棋士・高村五段ーー。テレビを観ていた桂は、同クラのもさいメガネ男子・高村雅臣と同一人物だと気付いた！！仲良くなっていくうち、メガネなしの棋士の顔つきをした高村にドキドキしてしまう桂。そんな桂に、高村はグイグイ迫ってきて…！？グイグイ系着物棋士×拗ねるかまって系男子の攻防戦★王手をかけるのはどっちだ！！？
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今日は珍しく爽やか系のお話を。
『3月のライオン』や、公式戦連続勝利で有名になった藤井聡太棋士など、若手男性プロ棋士が注目を集める昨今ですが、実は2014年時点でプロ棋士を題材にしたBL作品が出ていたんです・・・！それがこの、『秘すれば花成り！』。

将棋のルールは全く知らないけど、『ヒカルの碁』世代で棋士という言葉に敏感な私としては読まざるを得まいとガイアの囁くままに手に取っていました。普段は濃厚18禁描写がないと損した気がすると嘯き、だんだんとガチムチ方向へ趣味嗜好が進んで行ってしまっている私ですが、見てくださいこのコミックスの表紙！！少女漫画だと言っても通用するレベルでポップ＆キュート！各電子媒体版（私が見たのは左の画像のこっちhttp://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/44507/）なんて更に爽やか！中高生が間違って手に取ってBL沼落ちしちゃうかもしれない！こわーい（ワクワク）

単なるBL作品にはしまいと、BL恋愛模様というよりかは同級生棋士が有名になっていく過程の学園ものを描いているような感じを見受けて、逆に新鮮でした。

そうか、BLにつきものの、「男同士だから後ろめたい」とか「隠れて付き合う」とか恋愛の悩みだけリアルで深刻みたいなのじゃなく、趣味や学校や仕事と同軸に恋愛もあって、単なる事実としてその相手がたまたま男で、普通にいろんなことに悩みながら学生時代って過ぎ去っていくけどみんなキラキラしてるんだよね、って。

当たり前に恋して勉強して仕事してる日常に、人それぞれいろんな事情があってそれが悩みにもなれば幸せにもなる。そんな当たり前が尊くて眩しい。

本編には2カップル出てきますが、彼らのその後とかはオチがついていません。
何か大きい事件とか深刻な悩みがあって、それがパキッと解決するエンドを望む人には、モヤモヤする作品かもしれません。でも、彼らはまだ学生だし、終わりなんて明確に決めなくていいんじゃないか？と私は思うのです。

気持ちが通じ合った感動、付き合ったばかりの一番楽しい時、初めておセッセした時の心臓はち切れるような満ち足りた瞬間、色々切り取ったらそこにドラマはあるけど、人生って続いていくものだからどこにクライマックスがあるのかなんて、死んでから振り返らないとわからない。

たまたま好きになった人が同級生で、ある業界では有名人で、なんか徐々に人気も出てき始めちゃって、複雑だけど好きなんだから一緒にいたい！そんな単純な感じでいいじゃない。恋なんてそんなもんだ。将棋を指してる時の雅臣はかっこいい。有名人なのに、暗がりだから他の人にはわかんないよと手を繋いでくれた時いろんな意味でドキドキして、でもちょっと嬉しい。誰にでもあるようなそんな単純で小さな幸せを、思い出したくなったら、ぜひ。