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※ここからは完全に趣味です。

◆『死ぬほど好き』山田ユギ
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Amazonよりあらすじ引用
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卒業まであと半年、江藤は一緒にいられる時間があと僅かなことに焦り思わず親友の柳に告白するがアッサリ振られてしまった。そのまま疎遠になる運命のハズが卒業式を一ヶ月後に控えた早朝の電車の中、偶然の出会いがふたりを待っていた。柳の連れの幼馴染み・里村裕に誘われるまま、一緒に列車の旅をすることになった江藤と柳だったが…！？親友に恋してしまった普通の高校生の想いを瑞々しく描いた表題シリーズ他、読み切り４編を収録した胸キュンを軽妙酒脱に描いた著者の魅力満載作品集！
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BL商業誌のレジェンド作家の一人、山田ユギ先生です。
ちょっとおバカなわんこ系攻がすごく可愛いんだ。すごく可愛いんだ！！
山田ユギ先生と言えば、受のことが好きすぎるわんこ攻を描くのがうまいというイメージなんですが、この短編集の中で一押ししたいのが顔がいい後輩が冴えないおっさん上司にのめり込みはじめる話『明烏』です。

この話の攻は見た目はイケメンで女にモテる完璧な男だけど、肝心な時に勃たなかったり、金曜の昼までラブホで寝過ごしてしまったり、気を引こうとしたりメールを何度も確認したりするけど全然なびいてくれないことに地味にショックを受けたりと、上司オッサンの前では恥ずかしいところばかりさらけ出してしまうところが、上っ面だけのガキって感じでいい。

そんで、見た目冴えないのに床上手でエロくて男好きで、普段の仕事では何にも興味を持ってなさそうな掴み所のなさを醸し出しているのに、そんなガキっぽい攻めのかっこ悪いところを見て「かわいい」とさらっと言えちゃう受のオッサンの感じがたまらんのよね。

付き合ってるわけじゃないけど体のつながりはある半年間
おっさんの方からは絶対に誘ってくれないし、ノンケとゲイで本気になったらこの年ではキツイとか色々理由をつけて壁を作ってきて明烏を聞かずに夜明け前には帰ってしまうあの人を、捕まえてベッドに縫い止めて朝を一緒に過ごしたいと願い始める頃にはもう恋が始まっているんですよね。

「三千世界の 鴉を殺し ぬしと添い寝が してみたい」
の都々逸になぞらえてるのがまた、大人の恋な感じで私の日本語日本文学科日本文学文化専攻の血が騒ぐ（？）
「明烏」も「三千世界の鴉」も、今でいう「朝チュン」なんだけど、単に朝チュンの話にしないでこういう言い回しにすることに風情を感じてときめきますよね。